法テラスの正式名称は日本司法支援センターと呼ばれ、法務省の管轄下で運営される団体になります。
法テラスから紹介される弁護士は、法テラスと民事法律援助利用契約を締結している事務所か法テラス法律事務所に所属する弁護士になります。
主たる活動の目的は、経済的に余裕がない人が法的トラブルにあった時に、無料の法律相談や費用の立替えを行うことになりますので「収入基準」や「資産基準」が一定以下でなければ利用は出来ません。
ただし、実際に法テラス経由で任意整理を依頼すると相場よりも非常に安い価格で対応をしてくれます。
一見、経済的に余裕がない人からすればメリットしかないように見える法テラスですが、本当に法テラスを利用することがおすすめと言えるのか?現役弁護士からリアルな評判を聞き込み取材したのでお伝えしたいと思います。
何度でも相談無料・出張対応可能・分割後払い・夜間対応可能・休日対応可能・実績豊富・相場より安い
債務整理の実績が豊富で費用が安い法律事務所。全国に出張対応してくれるため遠方にお住いの人でも対面相談が可能。契約前の相談は何度でも無料なので安心して問い合わせが可能。
初回相談無料・出張対応可能・分割先払い・夜間対応可能・休日対応可能・実績豊富・相場より安い
アットホームな法律事務所ですが、東大出身のベテラン弁護士が債務整理の相談に無料で対応してくれる。ロータス同様に全国へ出張を行なってくれることから遠方にお住いでも問題なく対応が可能。
- 3位:ウィズユー司法書士事務所
何度でも相談無料・分割後払い・夜間対応可能・休日対応可能・実績豊富・着手金無料・減額報酬無料
債務整理の相談は何度でも無料で着手金、減額報酬も0円の司法書士事務所。報奨金として1社5万円の費用は発生するが、分割後払いが可能になるので初期費用が準備出来なくても対応可能。全国対応が可能なため遠方にお住いでも対応可能。
Contents
法テラスとは?
法テラスとは、経済的に余裕がない人に対して、弁護士による無料法律相談や費用の立替を行う民事法律扶助業務が主たる目的になります。
立替費用は返済が必要になりますが、毎月5,000円程度の分割払いが可能になりますので任意整理後の返済でも大きな負担にはならないでしょう。
しかしながら、全員が法テラスを活用することは出来ず、以下の3つの条件を満たしている必要があります。
- 収入や資産の基準が一定以下であること:以下で詳細を解説します
- 勝訴の見込みがあること:和解・調停・示談により勝訴の見込みがあること
- 民事法律扶助の趣旨に適していること:報復や宣伝などの訴訟は認められない
基本的に①の「収入基準」と「資産基準」を満たしていることで法テラスの民事法律扶助を受けることが可能と言えるでしょう。そこで、それぞの基準を解説したいと思います。
法テラスの審査条件
法テラスの審査条件には「収入基準」と「資産基準」の2つの条件を満たしている必要があります。
収入基準
法テラスの民事法律扶助制度を活用できる人は、申込者及び配偶者の手取り月収額(賞与込み)が以下の基準以下でなければなりません。
また、同居家族がいる場合はその家族の収入も申込者の収入に合算しますが、離婚事件などで配偶者が相手方の場合は収入を合算する必要はありません。
人数 | 手取月収額の基準*注1 | 家賃又は住宅ローンを負担している場合に加算できる金額*注2 |
1人 | 18万2,000円以下 (20万200円以下) |
4万1,000円以下 (5万3,000円以下) |
2人 | 25万1,000円以下 (27万6,100円以下) |
5万3,000円以下 (6万8,000円以下) |
3人 | 27万2,000円以下 (29万9,200円以下) |
6万6,000円以下 (8万5,000円以下) |
4人 | 29万9,000円以下 (32万8,900円以下) |
7万1,000円以下 (9万2,000円以下) |
- 注1:東京、大阪など生活保護一級地の場合は()内の金額が適用される。
- 注2:申込者等が、家賃又は住宅ローンを負担している場合、手取り収入に加算できます。
資産基準
法テラスの民事法律扶助制度は収入基準とは別に資産基準も同時に満たしている必要があります。
資産基準は、申込者及び配偶者が不動産(自宅や係争物件を除く)、有価証券、預貯金などの資産合計が以下の基準額以下でなければなりません。
また、収入基準同様に離婚事件などで配偶者が相手方の場合は収入を合算する必要はありません。
人数 | 資産合計額の基準*注1 |
1人 | 180万円以下 |
2人 | 250万円以下 |
3人 | 270万円以下 |
4人以上 | 300万円以下 |
- 1:将来負担すべき医療費、教育費などの出費がある場合は相当額が控除されます。
法テラスを活用すると任意整理の費用を削減可能
法テラスを活用するメリットに任意整理の費用を大幅に削減することができる(債務整理全般の費用を削減可能)点が挙げられます。
まず、法テラス経由で任意整理を依頼する場合は減額報酬が発生しません。加えて、報酬も定められた金額以上に請求されることはありませんので明瞭会計である。と言えます。
債権者数 | 着手金 | 実費等 | 合計 |
1 社 | ¥32,400 | 10,000 | ¥42,400 |
2 社 | ¥48,600 | 15,000 | ¥63,600 |
3 社 | ¥64,800 | 20,000 | ¥84,800 |
4 社 | ¥86,400 | ¥20,000 | ¥106,400 |
5 社 | 108,000 | 25,000 | ¥133,000 |
6社~10社 | 151,200 | 25,000 | ¥176,200 |
11社~20社 | 172,800 | 30,000 | ¥202,800 |
21社以上 | 194,400 | 35,000 | ¥229,400 |
任意整理の費用相場は「任意整理の費用相場はいくら?弁護士と司法書士の料金を安い順にランキング」にて解説を行いましたが、以下の通り相場よりも安い価格で任意整理が可能になります。
- 相談料:0円(事務所によっては30分5,000円)
- 着手金:20,000円/社〜40,000円/社
- 報奨金:20,000円/社〜40,000円/社
- 減額報酬:減額できた金額に対して10%
- 過払い金報酬:返還できた金額に対して20%
- その他実費:実費分〜3万円/社
やはり、報奨金と減額報酬が発生しないことから合計費用は総じて安いと言えるでしょう。
しかしながら、任意整理は代理人である弁護士や司法書士が債権者と交渉することで減額できる金額が決定するため料金だけで判断するのは非常に危険です。
弁護士に聞いた!法テラスの評判
弁護士に法テラスの評判を聞くことに成功しました。匿名が条件になりますが、東京都と愛知県名古屋市の弁護士2名に話を聞きましたのでお伝えいたいと思います。
法テラスが紹介する弁護士は経験が浅い
ー筆者:法テラスで紹介される弁護士は実績などは豊富でしょうか?
弁護士:まず、法テラス法律事務所に所属する弁護士は3年間の期限付きでしか雇用されません。加えて、報酬も非常に安いことから自分で稼ぐ力の無い弁護士が多いと言わざる負えません。
また、法テラスと民事法律援助利用契約を締結する事務所は新米弁護士からベテラン弁護士まで多種多様です。なので良い弁護士が紹介されれば良いのですが悪い弁護士の場合は後悔しても遅いですね。
儲けがないので適当に対処する弁護士もいる
ー筆者:悪い弁護士とは悪徳な詐欺をする弁護士ですか?
ここで言う、悪い弁護士と言うのは「やる気がない、放漫な態度」という意味で使っています。簡潔に言えば、法テラスから案件を紹介されるということは営業努力をしなくても仕事が舞い込むことになります。
報酬は法テラスが決めますので、適当に仕事をしようがどうしようが報酬は変わりません。また、法テラスから紹介された案件だけで事務所を運営することも出来なくないので適当な法律事務所に該当する可能性もある。ってことですね。
厄介なのは、「適当な仕事をしている」「放漫な態度である」ということを自覚していない弁護士もいます。
弁護士は高齢化している背景もあり相談者より弁護士の方が年齢が随分と上の場合があります。このような時に、言葉使いや配慮に欠ける発言などを平然としてしまい相談者を不快にさせてしまうこともあります。
手続きが面倒だが儲からない
ー筆者:実際、法テラスの案件は弁護士にとって旨味はあるのですか?
結論、ないですね。金銭的に余裕がない人に対して低価格で任意整理を提供する訳ですが、報酬以上に弁護士報酬が増える訳ではないので儲けは当然少なくなります。
更に言えば、面倒な手続きが多いのもネックです。
法テラスの審査員に報告するために、着手報告書、訴状の提出、中間報告、終結報告などいくつかの書類や報告が必要になるのです。正直、費用に対して作業が多いことから儲からない案件と言えます。
法テラスと契約するのは弁護士としての良心
ー筆者:割りに合わない仕事なのになぜ法テラスと契約するのでしょうか?
私たちの場合は、弁護士としての良心です。
そもそも、弁護士になった理由には法律で少しでも多くの人を救いたい。という想いがあったので経済的に余裕がない人にも役に立てれば弁護士冥利に尽きると考えています。
この想いをしっかりと持っている弁護士であれば、法テラス経由で儲けが少ない場合でもしっかりと対応してくれると思います。
法テラスを利用すると弁護士が選べない!は嘘
ー筆者:ただ、法テラス経由だと弁護士が選べない。というデメリットがあるのですよね?
それは少し誤解がありますね。確かに、最初から法テラスに相談すると相談者の希望通りではない弁護士が紹介される可能性があります。
この対策として、民事法律援助利用契約を締結する弁護士に先に相談してから法テラスで契約する「持ち込み方式」を活用することで指名も可能になります。
そのため、まずはご自身で弁護士を探していただき「法テラスを利用できるか?」と弁護士に相談することをおすすめします。
法テラスに依存せずに複数の弁護士を比較すべき
ー筆者:持ち込み方式が活用できるならば法テラス経由の相談の方が得策ですね
はい、任意整理の費用を抑える。という目的であれば十分だと言えます。しかしながら、自分が指名したとは言え、その弁護士が任意整理の実績が豊富かどうかは判断が出来ないのではないでしょうか?
もし、複数の弁護士の話を聞き、最も依頼したい弁護士が法テラス経由で契約が出来なかったどうしますか?結局価格に妥協し半端な弁護士に依頼するのでしょうか?
これだと、費用を抑えることが出来ても結果が連動するとは言えませんね。
また、最近はどの法律事務所の債務整理は無料で相談対応してくれますし、費用の分割払いや後払いを認める事務所が非常に多くなっています。
そのため、法テラスに依存して比較するのではなく、結果的に法テラスが使えて費用が安くなった程度に留めておくことが大切だと私は考えます。
まとめ
任意整理の費用は法テラスを活用することで大幅に削減が可能になります。ただし、収入基準や資産基準を満たしている人しか利用は出来ないので注意しましょう。
また、弁護士に法テラスの評判を聞いたところ、法テラスに依存して弁護士や司法書士を探すのではなく、自力で専門家を探した後に「持ち込み方式」が利用できるか確認した方が良い。という回答を頂けました。
結論、任意整理は料金や実績が豊富な弁護士または司法書士選びから開始することが得策と言えますので、「全国320社を徹底比較!任意整理におすすめな弁護士と司法書士ランキング」をご参照頂き、複数の専門家を比較するようにしましょう。
また、以下のエリア別一覧表から自分に合った専門家を見つけることも可能です。