借金の返済に困っているが「借りた以上は可能な限り返済したい」、「破産だけは避けたい」という人は非常に多くいるのではないでしょうか。
このような場合、債権者との話し合いで借金を減額させる任意整理という手続きがおすすめです。
任意整理は基本的には司法書士や弁護士に依頼し手続き進めることから、依頼した人は自宅で待機しているだけで着実に進行していくことになります。
とは言え、どのような流れでどのくらいの期間が必要になるのか?疑問に感じる人も多いでしょうから、今回は任意整理の流れについて解説を行います。
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Contents
任意整理の手続きに必要な書類
任意整理の流れをお伝えする前に手続きに必要な書類を準備するようにしましょう。
- 本人確認書類(運転免許証や保健証)
- 債権者一覧
- 消費者金融のカードやクレジットカード
- 預金通帳
- 源泉徴収票など収入が分かるもの
- 不動産の登記簿謄本(住宅を保有している場合)
- 生命保険証券(生命保険に加入している場合)
- 退職金の見込み金額が分かる書類(退職金制度がある場合)
債権者一覧は、裁判所の公式サイトなどで書式が公開されておりますが、もし入手が出来ない場合も、「債権者名、住所、電話番号・FAX番号、初回借入日・借入額、現在の債務額、月々の返済額、資金使途」を1枚の紙に業者ごとにまとめておけば問題ありません。
その他の書類は準備するのもそこまで難しくはないでしょうから事前に用意しておきましょう。
任意整理の流れと期間
それでは、任意整理の流れと必要になる期間をお伝えしたいと思います。大きくは、6つのステップに沿って任意整理が進行することになります。
- 弁護士や司法書士を選ぶ:0ヶ月目
- 法律事務所との契約及び受任通知の送付:契約後すぐ
- 利息の引き直し計算:1ヶ月目~2ヶ月目
- 和解交渉:3ヶ月目~6ヶ月目
- 和解契約の締結
- 返済開始
任意整理の期間は和解交渉以外にも、返済期間や制限期間もあります。どの程度生活が制限されるか知りたい人は「任意整理の期間|和解・返済・制限の3つの期間をまとめて解説」も合わせてご参照ください。
流れ1.弁護士や司法書士を選ぶ:0ヶ月目
まずは、任意整理を依頼する弁護士または司法書士を複数社比較することから始めましょう。
とは言え、任意整理を扱う法律事務所は非常に多く存在しておりますので「どのような基準で法律事務所を選ぶべきか分からない」という人は、任意整理におすすめな優良法律事務所を見極める7つのポイントに照らし合わせてみましょう。
- 無料相談を受け付けしている
- 相場料金よりも安く明瞭会計
- 実績が豊富
- 営業時間が柔軟
- 支払い方法が柔軟
- 弁護士と司法書士の違い
- 全国から債務整理の相談を受付している
選び方の詳しい解説とおすすめの法律事務所は「任意整理はどこがいい?優良法律事務所の選び方とおすすめの事務所を紹介」にて解説をしておりますのでご参照ください。
流れ2.法律事務所との契約及び受任通知の送付:契約後すぐ
任意整理を依頼する法律事務所を決めたら「委任契約」を締結します。これによって、あなたの代理人に専門家が立ったことになりますので、その事実を通知する「受任通知」を債権者に送付することになります。
受任通知を受け取った債権者は、あなたに対して「督促」や「返済」を要求することが禁止されています。
従って、法律事務所と契約するだけで借金の支払いが一時的に不要になる。という利点があります。もちろん、和解が済んだ訳ではありませんので、任意整理が開始する準備だと考えておくようにしましょう。
流れ3.利息の引き直し計算:1ヶ月目~2ヶ月目
平成18年以前に借り入れしている人の多くは、利息制限法で規制される以上の金利で貸付を受けていることだと思います。本来、利息制限法を超える貸付は禁止されている訳ですが、この条件で貸付をしても法的に罰則はないのです。
一方、出資法を超える金利で貸付を行った場合は、刑事罰に問われることから「利息制限法以上、出資法以下」で貸付が行われていた訳です。
出資法には違反していないので罰則の対象にはならないのですが、不当な利息を受け取っていた事実は存在しています。このように、クロでもシロでもない貸付を「グレーゾーン金利」と呼んでいるます。
そして、利息の引き直し計算では、「本来の金利で支払った場合の金額」と「これまで支払った金額」を計算し直すことで、払い過ぎた利息を元金に充当させ借金を減額させます。
この計算は、過去の取引1つ1つ行うため1ヶ月〜2ヶ月程度の期間は必要になってしまいます。
少々時間は掛かりますが、引き直し計算は正式な借金額を確定させる手続きになりますので、任意整理後に借金を完済することが出来るか否か判断する大切な計算になります。
流れ4.和解交渉:3ヶ月目~6ヶ月目
消費者金融などの貸金業者に対して、月々の返済金額などの条件を記載した整理案を送付します。その上で、各貸金業者と直接交渉を行い「承諾を得る」必要があるのです。
全て、弁護士または司法書士があなたに代わって手続きを行ってくれることから、何もせずに待機しているだけで済みます。一方、専門家は1社1社交渉をしていくことになりますので期間は4ヶ月程度を見ておくと良いでしょう。
債権者の数が多い場合は、交渉期間が長引く可能性もあります。また、承諾応じた貸金業社には「承諾書」または「念書」を貰うようにしています。
流れ5.和解契約の締結
和解交渉が成立した業者とは「和解契約書の締結」を行います。
この手続きも全て代理人である弁護士または司法書士が行ってくれるので何も手続きを行う必要はありません。定期的に任意整理の進行状況などは書面で報告がありますので随時確認するようにしましょう。
流れ6.返済開始:3年〜5年以内の完済
全ての貸金業社と和解が成立したら任意整理が完了となりますので、和解内容に沿って返済を開始することになります。
ちなみに、任意整理が完了しても法律事務所との契約は継続していることが一般的です。従って、返済は法律事務所を通じて債権者に入金がされることになります。
また、減額された借金は3年〜5年以内に返済する必要がありますが、再び滞納してしまうと弁護士に辞任されてしまい債権者から直接督促されることになります。
加えて、一括返済を要求されるなどデメリットしかありませんのでしっかりと返済するようにしましょう。
任意整理の流れで重要なポイント
ここまで、任意整理の流れをご紹介してきましたが、重要なポイントは「流れ4.和解交渉」と言えます。具体的に代理人である弁護士や司法書士がどのような交渉を行っているのかお伝えしたいと思います。
利息制限法に沿った引き直し計算で借金が減額
先ほどお伝えした利息の引き直し計算は、高い確率で借金を減額させることが出来るポイントになります。過払い金請求のTVCMをご覧になった人も多いと思いますが、同様の手続きだと考えておきましょう。
ここだけを考えると、客観的事実に基づき減額交渉することが可能になりますので、債権者側も固くなに拒否することがなかなか難しい部分でもあります。
そのため、債権者の立場としては、「減額することは前提にしながらもどれだけ少ない金額で減額交渉を終了させるか?」が肝になると言えます。
その点を粘り強く交渉ができる弁護士や司法書士であれば取り戻せる金額も大きくなります。
利息のカットにより借金が減額
任意整理の交渉では「将来利息のカット」や「経過利息のカット」も借金を減額させる重要な交渉の1つとなります。
将来利息のカットとは、和解後〜完済までに発生する利息を無くすことで、経過利息のカットは、貸金業社に受任通知を送付してから和解が成立するまでの利息を無くすことを指しております。
これらの利息をカットできるか否かは債権者と代理人の交渉によって結果は左右されます。そのため、代理人の腕が非常に試される部分となります。
従って、実績が豊富な弁護士または司法書士に依頼することを強くおすすめする理由に、この利息カットの交渉があると言えます。
まとめ
任意整理の流れと期間について解説を行いました。
任意整理の流れは大きく6つの手順によって進行し契約から和解までは6ヶ月程度の期間が必要になります。その際、借金がいくら減額させるかは「債権者との交渉」によって決まります。
その際、実績が豊富な弁護士または司法書士であれば、利息の引き直し計算だけでなく利息カットの交渉も粘り強く行ってくれることから「実績」が豊富な専門家を選ぶようにしましょう。
その際、「2019年版|任意整理におすすめな弁護士と司法書士事務所16選」をご参照頂き、複数の専門家を比較することがおすすめです。